大腸ポリープとは
大腸ポリープとは、大腸粘膜の一部が隆起した病変で、組織タイプの違いから大きく「腫瘍性」と「非腫瘍性」に分けられます。
腫瘍性ポリープは腺腫と呼ばれ、小さなうちはほとんどが良性ですが大きくなるとともにがんが発生する割合が大きくなります。腺腫の中に小さながんが生じることがあり、これを腺腫内がんと呼びます。このように腺腫の一部は放っておくとがんになることがあり、そのため前がん病変とも言われます。腺腫は環境要因と遺伝要因が影響し合って起こると考えられており、環境要因としては食習慣が特に重要で、高脂肪・低繊維食が危険因子とみられています。
非腫瘍性ポリープには、小児に多い若年性ポリープ、高齢者に多い過形成性ポリープ、腸炎後にみられる炎症性ポリープなどがありますが、いずれも良性で、がん化することはほとんどありません。
ポリープがあっても症状が出ることはほとんどありませんが、大きなものでは血便の原因となったり無症状でも便潜血検査が陽性になることがあります。
診断にあたっては主に大腸内視鏡検査が行われ、ポリープの有無を確認し、見つかった場合はその大きさ・形状・色調などを観察します。
ポリープの治療としては、腫瘍性の場合は内視鏡を使って切除します。非腫瘍性では大きいポリープでなければ積極的に切除する必要はありません。